ピカソ
ピカソ
ピカソ講義
岡本太郎 著 / 宗左近 著
定価: 1,056円(本体960円+税)
ピカソは全身で矛盾を表現し、時代と闘って〈醜〉と〈美〉を超えた。ピカソに無条件に感動し、ピカソに挑み、ピカソを超えることを自らに課した岡本太郎が、ピカソ伝説を覆えして、ピカソを神様でなく、われわれのナマ身の問題として、ピカソ芸術の変遷を追いながら、同時代にピカソを論じ、二十世紀芸術の運命を語る。冒頭に、ピカソの主要作品、岡本太郎所有のピカソの写真等、多数収録。
岡本 ぼくは芸術家は成功しちゃったらおしまいだ、と思っているんですよ。常に認めさせると同時に、認めさせないという意思をもって、成功なんか蹴とばしてやる。ぼくは闘うこと以外に、なにもない。これは言ったりしたらたいへんなことになるし、そこには、非常にデリケートな問題があるけども。
宗 普通の人は、自分の才能を食ってるにすぎない。
岡本 だから、ぼくは、自分自身に才能があるなんて少しも思っていない。才能がなきゃ、なおいいと思う。好かれる絵を描かない、ということを前提としているわけだ。