社会は絶えず夢を見ている
社会は絶えず夢を見ている
大澤真幸 著
定価: 1,980円(本体1,800円+税)
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いつも「リスク社会」は可能性として語られてきた。 ついに到来した「震災・津波・原発」の惨状を見据え、 ありうべき克服を提起する強靱な思考。連続講義第一弾
[「あとがき」から抜粋]
今、われわれは、日本人は、「夢」の中にいるかのようである。3・11の破局の後、すなわち 2011年3月11日午後2時46分に東日本の太平洋岸を襲った震災と津波の後、さらにこれにひき続く福島第一原子力発電所の事故の後、私自身を含む多くの日本在住者は、まるで「夢」の中を生きているかのような感覚を覚えている。その夢は、覚醒以上の覚醒であり、破局以前の日常の方こそがむしろ、微温的なまどろみの中にあったことを、われわれに思い知らせる。本書に収録した四つの講義はすべて、3・11の破局よりも前に行われたものである。しかし、私自身が驚いている。講義の中のさまざまな論材が、破局後の主題とあまりに直接的に対応していることに、である。
目次
はじめに なぜ講義なのか? そして何を講義するのか?
第一講 「日本語で考えること」を考える
第二講 社会主義を超えて、コミューン主義へ
第三講 リスク社会の(二種類の)恐怖
第四講 今のときに革命について語る