銀河の片隅で科学夜話
銀河の片隅で科学夜話
物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異
全卓樹 著
定価: 1,760円(本体1,600円+税)
在庫: 在庫あり
電子版を購入する
オンライン書店で購入する
高橋源一郎さんご紹介(NHKラジオ「すっぴん!」2/28放送)、大反響!
大森望さん推薦!
「明晰でわかりやすく、面白くて叙情的。
科学と詩情。
ここにはSF100冊分のネタが詰まっている。」
一日の長さは一年に0.000 017秒ずつ伸びている。
500億年のちは、一日の長さは今の一月ほどになるだろう――
空想よりも現実の世界のほうがずっと不思議だ、と感じるような、
物理学者のとっておきのお話を22、集めました。
・流れ星はどこから来る?
・宇宙の中心にすまうブラックホール
・真空の発見
・じゃんけん必勝法と民主主義の数理
・世論を決めるのは17%の少数者?
・忘れられた夢を見る技術
・反乱を起こす奴隷アリ
・銀河を渡る蝶
・飛び方を忘れた鳥にそれを教える…
真夜中の科学講座のはじまり、はじまり。
ほんのひととき、日常を忘れて、科学世界の詩情に触れてみませんか?
科学や文学が好きな人へのプレゼントにもぜひ。
「夜話と名乗ってはいるが、朝の通勤電車で、昼休みのひとときに、ゆうべの徒然の時間に、順序にこだわらず一編ずつ楽しんでいただければと思う。」――著者
書評
「遠く」について考え、緻密に想像する理論物理学者の思考が、日常の息づく「近さ」に開いた感性と美しく同居している一冊
森田真生さん毎日新聞大阪版5/30ご書評より
この本、売れているという。科学エッセイでも売れるのだ。
いや、これは「科学夜話」という新しいジャンルだから売れているに違いない。
仲野徹さん読売新聞5月3日ご書評より
宇宙に比べれば人間の存在などささやかで、それでも日夜、この世界のありさまを解明するための努力は続けられている。本書はそのはるかな道程の、今のところ最新の成果だ。
水原涼さん北海道新聞4月19日ご書評より
どのエピソードも童話のように美しくしたためられている。
鎌田裕樹さんさん京都新聞4月19日ご書評より
作者は現代人の死角から世界を眺める。
若松英輔さん高知新聞4/26ほかご書評より・共同通信配信
一番のお薦めは数理社会編だ。(…)
三人寄れば文殊の知恵、はなぜ正しいのか。民主主義の基盤をなす多数決は数理的に正当化できるのか。 (…)
著者は物理学者で、物知りで、おまけに詩人である。高知暮らしが長いせいか、話を盛りがちな県民性を受け継いだサービス精神に溢れた文章も楽しめよう。
須藤靖さん朝日新聞4月4日ご書評より
文系/理系(と、敢えて分別しておく)の境界を悠々と超えて共鳴するイメージを、著者に導かれてひとつずつ手繰り寄せてみると、
確かにこの世界の秩序を織りなしている途方もない「美しさ」に快哉を叫びたくなるし、子どもの頃に持っていた素朴な知的好奇心のようなものが止め処なく溢れ出て来るのを感じる。
それはまさに、本書の帯文にある言葉を借りるならば「詩情」と呼ぶしかないものであろう。
加藤夢三さん『週刊読書人」(4月10日号)ご書評より
感染症の流行で移動も娯楽も制限を受けている現在、心だけは日常を離れて宇宙のことなどを考えたい。確率の話のなかに、「稀(まれ)な事象に対しては、それに見合うだけの精度で測定をしないかぎり、まちがって検知した偽事象の収集だけで終わってしまう」という一文もあり、状況を過度に詳しく知ろうとするとかえって混乱が増す現状をスマートに言い当てられた気がした。
渡邊十絲子さん4月11日付・毎日新聞読書欄ご書評より
目次
はじめに
〔天空編〕
第1夜 海辺の永遠
第2夜 流星群の夜に
第3夜 世界の中心にすまう闇
第4夜 ファースト・ラグランジュ・ホテル
〔原子編〕
第5夜 真空の探求
第6夜 ベクレル博士のはるかな記憶
第7夜 シラード博士と死の連鎖分裂
第8夜 エヴェレット博士の無限分岐宇宙
〔数理社会編〕
第9夜 確率と錯誤
第10夜 ペイジランク─多数決と世評
第11夜 付和雷同の社会学
第12夜 三人よれば文殊の知恵
第13夜 多数決の秘められた力
〔倫理編〕
第14夜 思い出せない夢の倫理学
第15夜 言葉と世界の見え方
第16夜 トロッコ問題の射程
第17夜 ペルシャとトルコと奴隷貴族
〔生命編〕
第18夜 分子生物学者、遺伝的真実に遭遇す
第19夜 アリたちの晴朗な世界
第20夜 アリと自由
第21夜 銀河を渡る蝶
第22夜 渡り鳥を率いて
参考文献