グググのぐっとくる題名
グググのぐっとくる題名
なぜこのタイトルに惹かれるのか
ブルボン小林 著
定価: 1,958円(本体1,780円+税)
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『8番出口』、「劇場版名探偵コナン」の副題、
宇多田ヒカル『SCIENCE FICTION』など、ヒットする作品のタイトルを言葉選びや語順、リズムなど、その構造から徹底解剖しました。見出しやキャッチコピー、商品開発やお店のPOPを書く人のヒントにも!
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登場するタイトルを一部ご紹介
同じミステリーの古典的名作としてアガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』がある。よく似た印象で、好対照の二題名といえる。
どちらも同じように、作中での大勢の人の関わりを示唆している。だが「そして~」の方には具体的な人名がない。また「殺したかった」「いなくなった」は、どちらも「た」止めだ。題名の時点ですべてのことは終了している(=覆らない)前提だ。
だが前者は願望で、後者は断言。どうなったかが明示されない・されるという真逆の「た」止めになっている。どちらも微妙に同じ、かつ微妙に異なるやり方で、うまく謎を示している。
歌の「ババンババンバンバン」は四拍子だとして二小節だ。二小節目に休符がある。
「ババンババンバンバン」には休符があるから、ドリフターズが歌う時には「ハァ~ビバノンノン」と合いの手が入っていた。
その、二小節の休符部分に「パイア」が納まった。
題名は音楽でないから、何小節ということもない、と思われているが、そんなことはない。七五調やラップのような言葉だけでない、どんな題名(言葉)でも音楽的な調べの中にあることは知っておきたいところだ。
[…]筆者のような昭和世代まで「お?」と振り向くようになったことはたしかで、注目を広く集めることに成功したといえる。
『8番出口』、ano『骨バキ☆ゆうぐれダイアリー』、まいた菜穂『12歳。』、佐藤愛子『九十歳。何がめでたい』、まえだくん『ぷにるはかわいいスライム』、松田聖子『小麦色のマーメイド』…など多数!
これは、題が題になっている。作者がゼロから生み出したワードは一つもない。その元になった題も、また別の題を踏まえている。引用が二重になっているのだ。
[…]まず最初に『宝島』という題名の冒険小説があった。それを踏まえて『新宝島』という題名の漫画が描かれた。それを踏まえて、今度は同じ題名で曲が作られた、というわけだ。
この題をみたとき、まんまと笑わされてしまった。
笑いが生じたのは、これがパロディだからだ。つまり「ぐっとくる」ためには、パロディの元ネタを知っている必要はある。とはいえ、単独でみてもそこはかとない笑いが感じ取れる題だと思う。
[…]『帰ってきたウルトラマン』という題のパロディである。「帰って」と「マン」、始まりとボトムの完全な一致が、内容の不一致とのギャップを生み、面白みに即効性が生じている。
題名は音楽でないから、何小節ということもない、と思われているが、そんなことはない。七五調やラップのような言葉だけでない、どんな題名(言葉)でも音楽的な調べの中にあることは知っておきたいところだ。
[…]筆者のような昭和世代まで「お?」と振り向くようになったことはたしかで、注目を広く集めることに成功したといえる。
ずっと真夜中でいいのに。『残機』、星野源『ドラえもん』、ヨシタケシンスケ『もう ぬげない』、中島らも『永遠も半ばを過ぎて』、特撮『ウインカー』…など多数!
本書の凄味はネーミングの作り手と受け手の両方に開かれていて、双方を育む力を持っていることだ。
題名の世界はとても奥が深い。迂闊にはダイブできないものでもある。でも本書を読んでいれば安心だ。安心だし、世界の見え方がちょっとだけ変わってくる。(今野書店 花本武さん)[…]題名に対して「どうしてこうも惹かれるのか」ということを今まで深く考えてくることはありませんでした。ブルボンさんの題名に対する様々な考察を目の当たりにし、かなり打ちのめされた気分です。今自室に並んでいるわたしが手に取ってきた本の題名には、こんな仕組みがあったのか…と夢中になって読みました。言葉や短いテキストを目にしてただ面白がるだけでなく、それらに考えを巡らせることの楽しさに、何度もときめいてしまう1冊です。言葉って楽しい。
また、ありとあらゆるカルチャーがひっきりなしに登場するので、これから読みたい観たい聴きたいものが山のように増えて困ります。要注意です。(丸善 髙島屋大阪店 宮﨑 優花さん)グッときたか、ググっときたか、はたまた、それとも、グググときたか?小説、漫画、映画、音楽…縦横無尽に「題名」を分析し、その魅力をわかりやすく解説。読み手も書き手も、売り手も買い手も、誰もが学べて楽しめる。どこから読んでも問題なし!たとえピンとこなかった題名も、読めば途端にぐっとくる。題名の見方が変われば、世界はもっとおもしろくなる。
顔つきや姿勢にはその人の心が表れるというが、題名にも同じことが言える。本書で挙げられている作品たちは、どれも素晴らしいものばかり。新しい出会いにも、もってこいだ。「題名よければ、すべてよし」、こんな言葉もあるとか、ないとか。(青山ブックセンター本店 神園智也さん)本の新刊をチェックしていると「お。」と感じる書名がある。本書はその直感が解説されるような、わくわくする面白さが次々とやってきます。「そうそう、いいと思っていたんだよ、この題名!」と共感し、驚いたり、笑ったり、感嘆したりしながら想像を重ねていく。タイトルだけで中身にまで迫っていくのだから、書店員力の筋トレにも適した本だなと思いました。(TOUTEN BOOKSTORE 古賀 詩穂子さん)読みながら、こんなにも音読したくなった(というかした)本は初めてかもしれません。「ハァ~ビバノンノン」に「パイア」がこんなにぴったりハマるんなんて。「ババンババンバンバン!パイア!」くふくふ笑いながら繰り返し発しているうちに、笑いが止まらなくなりました。
明日から職場の本棚を見回して、ぐっとくる題名とともに楽しい日々を過ごしたいと思います。(いか文庫店主 粕川ゆきさん)書店員として働いているとタイトルの大事さを痛感する。覚えやすいもの、変わったもの、インパクトのあるもの、そして誰も正確には覚えられないタイトルのもの。中身でなくタイトルで売れるもの。ぜひ手に取って見てください、書店でのタイトルとの出会いにきっと運命を感じますよ。(八重洲ブックセンター 京急上大岡店 狩野大樹さん)
