死を忘れた日本人

ページ数:260ページ / ISBN:9784255005263 / Cコード:0095 / 発売日:2010/05/15

死を忘れた日本人
どこに「死に支え」を求めるか

中川恵一 定価: 1,620円(本体1,500円+税)

在庫: 在庫あり

がん専門医が、2 万人の治療に関わって考えたこと伝統も宗教も失って、無力に死に直面する日本人に、救いはあるか?

『がんのひみつ』(2008 年1 月小社刊、累計20 万部)の著者が、「死を忘れた日本人」に向けて放つ第二弾。2 人に1 人ががんになり、3 人に1 人ががんで亡くなる「世界一のがん大国、日本」。はたしてどれだけの人が、自らの末期(死)に思いをはせているでしょうか。
 病院死がほぼ100%となり、核家族化が進行した結果、家族の老いや衰弱を見守り、最期を看取る習慣もなくなりました。死が視野に入らないのです。「死を忘れた」奇っ怪な環境に生きるのが私たち日本人と言えそうです。その意味で、日本人は、宗教も伝統も失った現代世界の「死の恐怖のフロントランナー」なのです。
 著者は、がん専門医としての25 年の経験に立って、日本人に現代の「メメント・モリ」を呼びかけます。死を忘れ、死に無防備なままで、いざというときに、自らの死を受容できるでしょうか、と問いかけるのです。人気の「ピンピンコロリ」は望んでも得られません。かつての結核のように、「ゆるやかで、期限付きの死」が多くの人を待ち受けているからです。ある日突然、死の恐怖に直面し、うちひしがれながら初めて自らの死を思い、途方に暮れるのではなく、いまから「死の予習」をしておこう、という提言なのです。諺にもあるとおり、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ですから。

目次

序 章 「死に支え」がない国、日本
第1 章 私たちのカラダは星のかけら──宇宙の誕生と死
第2 章 絶対時間と私の時間──「永遠」と「一瞬の人生」
第3 章 進化の中で、「死」が生まれた──もともと、寿命などなかった
第4 章 大脳が宗教を生んだ──死を飼い慣らすために
第5 章 死のプロセス──多細胞生物の死
  間奏──私たちが死んだあとのこと
第6 章 死の決定をめぐって
第7 章 「がんによる死」の正体──がんの進化論
  間奏──人はどのようにがんで亡くなっていくか
第8 章 宗教なき時代の死の受容──何を怖がっているのか

著者紹介

  • 中川恵一 (東大病院放射線科准教授/緩和ケア診療部長)