宇宙の知性体との交信を試みようとする世界の第一線級の天文学者たちが行っているSETI（地球外知的生命体探査）計画やNASAの対応。その中で日本人として参加している野辺山宇宙電波観測所の平林久氏が、その実体をはじめて開陳する。聞き手の作家、宮内勝典氏がユニークな切り口で質問する。異星間コミュニケーションの面白さの世界へと誘う異色レクチュア。

平林　とにかく基本的なことは、人類がハイ・テクノロジーを作る知性を持つことによって、宇宙の進化の新たな局面が開かれたことだと思います。そして今度は、この宇宙の別の文明と接触することによって、また新しい展開が始まる気がします。
宮内　私がSETIに関心を持ったのは、まさにその点なんです。……文明の次の転換があるとするなら、それは地球外の存在を知った時だと思います。