カフカ論
カフカ論
「掟の門前」をめぐって
ジャック・デリダ 著 / 三浦信孝 訳 / 丹生谷貴志 訳
定価: 1,980円(本体1,800円+税)
フランツ・カフカの「掟の門前」の読解。このテクストを前にして、「われわれ」が暗黙の裡に共有する慣習=約束事の体系を洗い出す作業から、小説論の問われることなき前提を暴くスリリングな批評。テクストに自己同一性を認めるのは何故か? テクストには作者がいると信ずるのは何故か? 端的に言おう。「この物語の文学への所属を決定し判断するのは誰か、そしてそれはいかなる基準にもとづくのか。」