闇の都市、血と交換
闇の都市、血と交換
経済人類学講義
栗本慎一郎 著 / 笠井潔 著
定価: 1,056円(本体960円+税)
栗本・経済人類学が、対話者に笠井潔を得て、「内部と外部の多重分岐」「都市のボディ・イメージ」「ドラキュラの故地へ」「山人が暗躍する」等の中心テーマをめぐって十二分に展開される。ボランニーとバタイユの交叉から、恍惚と戦慄の領域、暗い輝きの領域を真に照射するための企て、トランシルヴァニアからのシオラン、ウィーンからのヴィトゲンシュタイン、あるいはマッハが、対話の中で核融合を開始する。
笠井 (……)ソシュールが言語学でやったこと、あるいはフッサールが認識論でやったようなことと、(……)経済史学のレベルで対応する仕事としてボランニーの仕事があったのか(……)。
栗本 (……)残念ながら、「貨幣使用の意味論」というのは非常に短い論文なんですね(……)しかし、指摘としてはもの凄く鋭いもので(……)実は、貨幣とは言語や文字や度量衡と同様な、一つのシンボル体系なのである(……)これだけ鋭くいったというのは、まあ短いけれどソシュール的だ。