倫理と無限
倫理と無限
フィリップ・ネモとの対話
エマニュエル・レヴィナス 著 / 原田佳彦 訳
定価: 2,310円(本体2,100円+税)
哲学によって探求され、推奨されてきた絶対知は<同等者>の思想であり、<他者>を<自同者>に還元する思考の暴力性=不能性を不可避的に身に纏ってきた。<他者>と<私>の関係の非―対称性、非―相互性がもたらす他者への<責任>が、存在の匿名で無分別なざわめきをさえぎる。起源なき声が、他者の顔貌の意味作用そのもののなかに到来する。現象学の先駆者にして根源的批判者が語る、存在に穿たれた傷口が要請する<倫理>。