哲学における最近の黙示録的語調について
哲学における最近の黙示録的語調について
ジャック・デリダ 著 / 白井健三郎 訳
定価: 1,980円(本体1,800円+税)
『哲学における最近の尊大な語調について』のカントは「哲学の死」を告知するものを、熱狂的な幻想を批難する。知的直感の信奉者――奥儀伝授者たちは理性の声と神託の声を混同し、理性を雑音で妨害すると断ずるとき、カントは進歩主義者―啓蒙家として自らを規定する。しかし、誰もが奥儀伝授者であるとともに啓蒙家である以上、カントもまた或る種の《終り》を印しづけたのではないか。西欧を支配する終末論と光―真理―啓蒙への欲望を解体構築する。