地球の尻尾を掴む
地球の尻尾を掴む
文化人類学講義
青木保 著 / 青野聰 著
定価: 1,056円(本体960円+税)
文化を創る過程で現われる認識の体系は、衣食住どれをとっても、文化が逆に認識の体系を機能的にある程度選択しえた所産である。南米での体験・滅びゆく種族の話を交えながら説き明かす文化人類学講義。
青野 ……文化とか文明っていうのは、駄洒落じゃないけれど、全然わからない不分明な言葉だから(笑)。
青木 ものを感じたり見たりする一つのシステムみたいなのがあるでしょう。それを文化と言うんだと思うんですね。年月によって培われていき、一度でき上がってしまうと変わりにくいもの、そこでしかあり得ない、どうしても他の方に移植できないものがある。それが文化です。文明は偏差値的なもので、技術を獲得すれば出来る。ビルだってノウハウや資材があれば出来る。