コンピューター・ウォーズ
コンピューター・ウォーズ
コンピューター文化講義
西尾出 著 / 五木寛之 著
定価: 1,056円(本体960円+税)
人間が情報のサマリーにして増幅器であるとすれば、コンピュータは〈思想と力の実体〉というべきだろうか。作家の癖や言葉の使い方をすべてデータ処理したとして、はたしてコンピュータに小説が書けるか。機械としてのファンクション、システム、プログラムの実際などを明らかにしながら、情報パニックの危険を予想し、文化の構造の基底部に張りめぐらされた迷路というべきコンピュータと人間の共生のあり方をさぐる。
五木 コンピュータの問題を突きつめていくと、けっして人間を避けて通ることができないということ。コンピュータは一つの機械だけじゃなくて、一つの思想とか力の実体でもあるわけですね。
西尾 まさしくそうなんです。だからといって、コンピュータは人工頭脳であるという考え方には私はいささか反対ですし、あくまでも使う側の人間の問題だと思っています。ですけれどもそのファンクションはもはや、われわれの生活の中に密着しちゃってるということですね。