邂逅に学ぶキャリアと災害をめぐって
邂逅に学ぶ
キャリアと災害をめぐって
高畠宏一 著
定価: 2,200円(本体2,000円+税)
在庫: 在庫あり
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NTT西日本の「企業理念」策定と人材育成を担い、やがて代表取締役副社長となった著者は、東日本大震災など多くの災害で現場を踏み、対策を指揮した、稀有なリーダーでもある。その圧倒的体験から生まれたキャリア論・災害論!
書名の邂逅(かいこう)とは、自分に影響を与えた特別な出会いを指す。人とのご縁や災害との遭遇を邂逅という視点からとらえることで、著者個人のさまざまな経験が、ひと連なりの出来事として読者にぐんぐん開かれていく。
とりわけ本書が大きな紙幅を割くのは、災害対策である。東日本大震災の際、ほぼすべての家屋が倒壊する中、NTT局舎だけが残った地域がある。日本の通信インフラの担い手としてNTTには特段の備えが求められていたからだ。そうしたNTTグループで台風・地震など幾多の災害対策・対応の先頭に立ってきた著者の語りは、今まで知られてこなかった貴重なドキュメントであり、今後の対策への重要な示唆ともなっている。
キャリアと災害——この日本列島で生きていく人たちのリアルな日常の問題——について、新たな視座を得る手がかりがここにある。
目次
巻頭言
はじめに 邂逅とは?
第1章 人との縁に学ぶ
1-1 人とのご縁と成長——「〜である私」という物語
1-2 不思議なご縁からの学び
稲川素子氏——父がくれたご縁
武田双雲氏——TV番組がくれたご縁
矢野和男氏——開発意欲がくれたご縁
五百籏頭眞氏——財界セミナーがくれたご縁
松岡正剛氏——研修がくれたご縁
1-3 ICTによる「邂逅連鎖」の実現——コミュニケーションの未来形
(1)危機意識から生まれた「T-MAP」
(2)時空を超えた「人—人通信」
(3)「人—モノ通信」の広がり——「人—モノ」から「人—街」へ
第2章 災害との遭遇に学ぶ
2-1 キャリアと災害
2-2 キャリアに基づく災害論
2-2-1 災害をとらえる視点——予測できる災害と予測できない災害
2-2-2 予測できる自然災害:台風・豪雨
(1)長崎大水害(1982年7月)
(2)九州北部豪雨(2012年7月・2017年7月)
(3)台風19号:ミレーレ(1991年9月)
チームメイトの証言㈰
(4)奄美豪雨(2010年10月)
(5)台風21号(2017年10月)
(6)熊本豪雨(人吉豪雨) (2020年7月)
2-2-3 予測できない自然災害:地震
(1)阪神・淡路大震災(1995年1月)
チームメイトの証言㈪
(2)東日本大震災(2011年3月)
チームメイトの証言㈫
2-2-4 その他の自然災害
(1)雲仙・普賢岳噴火による火砕流(1991年6月)
チームメイトの証言㈬
2-2-5 まとめ:災害を生き抜くための目安表
第3章 邂逅連鎖を未来へつなぐ
3-1 過去の邂逅を未来へつなぐ
3-2 シミュレーションとシナリオ作成
3-2-1 基本的な考え方
3-2-2 シナリオ作成
付録 災害とパンデミック
災害・パンデミックと幸福度との関係
パンデミック対策の「もし」を考える
小説 新型コロナウイルス
参考文献
おわりに——再び邂逅とは?