慣れろ、おちょくれ、踏み外せ

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    慣れろ、おちょくれ、踏み外せ
判型:四六判正寸 / ページ数:320ページ / ISBN:9784255013480 / Cコード:C0095 / 発売日:2023/07/01

慣れろ、おちょくれ、踏み外せ
性と身体をめぐるクィアな対話

森山至貴 著 / 能町みね子 定価: 1,980円(本体1,800円+税)

在庫: 在庫あり

“みんな”でいたくない“みんな”のために

◎各メディアでご紹介いただきました◎

「いまは当り前のように使われているLGBTという言葉すらちゃんと理解していなかったことを、まず思い知らされた」
ーー吉田豪さん(「AERA」2023/9/4号)

「対談形式の本書には、学術書からはこぼれ落ちてしまう大切な言葉や感情がたくさん詰まっている。新たな視点や多くの気づきをもたらしてくれる好著だ」
ーー藤田結子さん(朝日新聞 2023年9月23日)

「彼らの決死の自己開示と深い洞察とをまとめた本書は、他の追随を許さない名著であり、我々を勇気づけ、この先10年の社会を力強く照らしてくれるものだと確信している」
ーー花田菜々子さん(毎日新聞 2023年7月22日)


「LGBT」に分類して整理したら、終わりじゃない。
「わからない」と「わかる」、「マイノリティ」と「マジョリティ」を
行き来しながら対話する、繊細で痛快なクィアの本。
ときに反抗的で、しなやかな態度は明日への希望に――。

性、恋愛、結婚、家族、子孫、幸福、身体、未来――
バラバラのままつながった壮大な「その他」たちが、
すべての「普通」と「規範」を問い直す。

「『普通』や『みんな』という言葉に己を託したり託さなかったり、託せたり託せなかったりする読者のみなさんを、風通しのよい、というよりは強風吹きすさぶ場所へと連れて行ってしまおうというのが私たちの企みです。どうぞ、遠くまで吹き飛ばされてください」(森山至貴「はじめに」より)

「ワクワクだけでも足りません。ヒヤヒヤするかもしれませんし、何か責められたような気分でイライラしたり、何様だコイツ、という思いでムカムカするかもしれません。逆に、全然言い足りてないぞ、と思うこともあるかもしれません。そのくらいのほうが普通じゃないかと思います。そのくらいでないと、私たちも語った甲斐がありません」(能町みね子「おわりに」より)

目次

はじめに  森山至貴

第1章:私たち「その他」は壮大なんですけど? LGBTQ+、分類して整理したあとの、その先の話
【能町さんへ】/「クィア」は強烈な侮蔑語から始まった/「あなたはLGBTですか?」は「老若男女ですか?」と同じ/この箱に入れて、わかったつもりになるな/人生の途中で、性のあり方も含めて変わる/学生に「セクシュアル・マイノリティをインタビューしたい」と言われたら/LGBTをふたつに分けるとき、どこで分かれる?/「LGBT」は、いつの間にひとまとまりに?/LGBT以前/HIV/AIDSが連帯の契機に/日本におけるトランスジェンダー/日本の差別のかたち/自分も意識が変わってきている/私はトランスジェンダーが一番わからない/名前をつけられない人たち/分類して整理したら終わりじゃない/壮大なその他

●当事者性が強すぎて
【森山さんへ】/当事者性が強すぎて/「乗り越える」って、なに?

第2章:基準を疑え、規範を疑え ——性、性別、恋愛ってなんだろう?
男と女っていう二通りじゃない/男とは? 女とは?——「好きな男ランキング」で悩む/男と女と「それ以外」?/基準自体を疑っていい——性の面的イメージ/身体的に非典型的な性別のあり方をしている人たち/LGBTみたいな枠組みを世界中に広めていいのか/「好き」は性別を認識してから芽生えるのか?/「早い段階で決まる」は違う/一貫していないと「偽物」なんじゃないか/性自認とジェンダー/地域格差とインターネット/恋愛至上主義規範/恋愛感情は、ある人がない人を想像するのが難しい/ポリアモリー——好きになる気持ちが複数、均等に/「恋愛と友情」とか、みんな飽きずに議論し続けている/「ひとりのやつはヤバいやつ」規範

●「わからない」って言いたいだけじゃん
【能町さんへ】/「わからない」ことを正当化する物言い

第3章:いい加減、そろそろ慣れてくれないかな ——マイノリティとマジョリティのあいだ
「マイノリティだから素晴らしい」がやばい/一回下に見ないと面白がれない社会は不幸だ/セクシュアル・マイノリティが出てくるドラマを観ると……/トランスの役は当事者こそ演じるべき?/「出てくる必然性のないゲイとか出すなよ」というレトリック/マイノリティとマジョリティの境目って?/ホモナショナリズム——「ゲイ差別はもうないです」/勝ち組のセクシュアル・マイノリティ/「弱者を救う」と言う政治家を、弱者はなぜ支持しないのか/「受け入れる」のベースに「受け入れない」がある/「LGBTアライっておかしくない?」/「私たちはここにいる。慣れることね」/「慣れろや」の背後にあるもの

●それは「論」ではありません
虐げられている人を助けようとする人が、別の何かを虐げてしまう/乗らないですよ、そんな土俵——TERFの問題

第4章:制度を疑い、乗りこなせ ——「結婚」をおちょくり、「家族像」を書き換える
侮蔑語を「逆手に取る」こと/クィアを使うための三本柱/結婚という制度をおちょくってみた/なんで友達同士で結婚しちゃいけないの?/結婚にあらゆるものを乗せていく/「家族」を見直す/いろんなものが「家族」でありうる/住むことってなんだろう?/誰もがそつなく「ステイホーム」できるわけじゃない/みんなキャバクラの人たちのことをどう思っているの?

第5章:そんな未来はいらないし、私の不幸は私が決める ——流動する身体、異性愛的ではない未来
【森山さんへ】/「見える差異」に依存していていいのか/「ありのまま」が、とにかく嫌だ/身体は変わるし、変えられる/「心は女、体は男」?/私の不幸は私が決める/不幸に対する解像度を上げていく/なんで未来を考えなきゃいけないの?/少子化とか知らねえわ。クローン人間、なぜいけない?/空想——どんな生殖のかたちがいいだろう?/「少子化対策」がすべて私の頭を素通りする/子供の話を出されちゃうかな/未来に待っているロールモデルに私のものはない/私たちが「幸福」に蝕まれないために

第6章:「出過ぎた真似」と「踏み外し」が世界を広げる——「みんな」なんて疑ってやる
聞いたこともない性的指向の人に会ってみたい/「どうせロリコンは認めないくせに」/彼らの救いはどこにあるのか/合意の技法が最高に発達 ——BDSM/BDSMは性別の組み合わせに重きを置いていない/外側に向かって倒れながら開いていく「みんな」/ずるい、図々しい、厚顔無恥!/踏み外したり、出過ぎたりが世界を広げる

おわりに  能町みね子

参考文献

著者紹介

  • 森山至貴(もりやま・のりたか)
    1982年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻(相関社会科学コース)博士課程単位取得満期退学。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教、早稲田大学文学学術院専任講師を経て、現在、同准教授。専門は、社会学、クィア・スタディーズ。著書に『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房)、『LGBTを読みとく―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)、『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』『10代から知っておきたい 女性を閉じこめる「ずるい言葉」』(WAVE出版)がある。

    能町みね子(のうまち・みねこ)
    1979年北海道生まれ。文筆家、イラストレーター。著書に『私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?』(東京ニュース通信社)、『結婚の奴』(平凡社)、『私以外みんな不潔』(幻冬舎)、『皆様、関係者の皆様』『お家賃ですけど』『トロピカル性転換ツアー』(文春文庫)など。執筆活動に加え、『久保みねヒャダこじらせナイト』(フジテレビ)、「久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)への出演や、『ニュースLIVE! ゆう5時』(NHK)で大相撲の解説を担当するなど、テレビやラジオでも活躍。

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