縄張りと島

  • 縄張りと島
判型:260×210 / ページ数:152ページ / ISBN:9784255012513 / Cコード:C0070 / 発売日:2021/10/05

縄張りと島

加藤翼 定価: 3,630円(本体3,300円+税)

在庫: 在庫あり

2021年7月から9月にかけて東京オペラシティアートギャラリーにて開催され、大きな注目を集めた、加藤翼の美術館での初個展「縄張りと島」のカタログであり自身初の作品集。

人々が知恵を出し合い、ロープと人力だけで巨大な構造体を引き倒したり、引き起こしたりする作品の原点とは何か? 「引き倒し」から「引き興し」への展開点は何だったのか?

東日本大震災の年に福島県いわき市で行なった《The Lighthouses – 11.3 PROJECT》(地域のシンボルである灯台を模した構造体を被災者や住民とともに引き起こした)、トランプ大統領誕生の年にアメリカのシアトルで制作した《Woodstock 2017》(4人の白人男性が互いに縛られながらアメリカ国家を演奏)といった代表作をはじめ、他にもマレーシア、メキシコ、ベトナム、香港など、世界各地で制作してきたこの15年間ほどの作品の数々を最新作まで網羅。

作品画像だけでなく、制作時のスケッチ、制作現場の写真、アイデアメモや図面など、資料も多数収録。作品解説ともなる対談2本と論考2本がそれらの間を有機的に縫って展開することで、作品理解にさらなる奥行きが生まれるつくり。もちろん「縄張りと島」展の展示風景も現場の雰囲気そのままに紙面で再現。

自然災害、都市開発、環境破壊などで地域のコミュニティが解体の危機に瀕するなか、人々が自発的に参画し、一体となって何かを実践することの意義を照らし出す。そして、ロープにみなぎる緊張そのままに、「ともに引っ張る」ことの原初的衝動を探りながら、分断や対立を超えた「協働」の可能性を見据える。ブックデザインは吉岡秀典(セプテンバーカウボーイ)。

「縄張りや境界線のない大空を自由に飛翔するすぐれた洞察力と批評性こそ、加藤翼というアーティストのたぐい稀な作家性に違いない」……堀 元彰(本書より)

目次

論考01 縄張りと島のその先へ
  堀 元彰(東京オペラシティアートギャラリー チーフ・キュレーター)
対談01 内部と外部のつながり
  ケン・タダシ・オオシマ(建築史家) × 加藤 翼
対談02 移動する民、協働する民
  関野吉晴(文化人類学者・探検家) × 加藤 翼
論考02 パラドックスと緊張の網
  ワン・ウェイウェイ(香港・Centre for Heritage, Arts and Textile キュレーター)
作家略歴
作品リスト

著者紹介

  • 加藤翼(かとう・つばさ)
    1984年生まれ。2007年、武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業、2010年、東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了。無人島プロダクションでの個展(2011年〜)のほか、「Scratching the Surface」(ハンブルガー・バーンホフ現代美術館、ベルリン、2021年)、「They Do Not Understand Each Other」(大館當代美術館、香港、2020年)、「BECOMING A COLLECTIVE BODY」(イタリア国立21世紀美術館、ローマ、2020年)、「あいちトリエンナーレ2019 情の時代」(愛知芸術文化センター、名古屋、2019年)、「Uprising」(ジュ・ド・ポーム国立美術館、パリ、2016年)など、グループ展多数。2021年7月に美術館での初個展となる「縄張りと島」を開催(東京オペラシティアートギャラリー)。本書がそのカタログであり初の作品集となる。東京国立近代美術館、国立国際美術館、愛知県美術館、豊田市美術館、森美術館、ウルサン美術館などに作品が収蔵されている。

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