オリヴィエ賞この三〇年―冷戦終結からＥＵ離脱までのイギリス社会と演劇 増田 珠子　　
イギリスＥＵ離脱への道―イギリス政治経済の二〇年 小林 清衛　　

Timberlake Wertenbaker Our Country’s Good（1988）
ティンバーレイク・ワーテンベイカー『我らが祖国のために』
流刑地での演劇上演の光と影 古山 みゆき　
　
David Hare Racing Demon（1990）
デイヴィッド・ヘア『レーシング・デーモン』
ポスト・キリスト教社会における聖職者の役割 堀 祐子　
　
Brian Friel Dancing at Lughnasa（1990）
ブライアン・フリール『ルーナサの踊り』
楽園の喪失とケルト文化の最後の輝き 竹島 達也　
　
Ariel Dorfman Death and the Maiden（1991）
アリエル・ドーフマン『死と乙女』
悲劇の記憶と記録―苦悩の果ての悼み 谷林 眞理子　

Pam Gems Stanley（1996）
パム・ジェムズ『スタンレイ』
画家とその人生―「描き」そして「生き抜くこと」の意味 宮 芙美子　　

Patrick Marber Closer（1997）
パトリック・マーバー『クローサー』
愛と性と独占欲をめぐる力学 桑原 文子　
　
Conor McPherson The Weir（1997）
コナー・マクファーソン『堰』
アイルランドの伝統文化を下敷きにした現代の古典 小池 久恵　　

Richard Nelson Goodnight Children Everywhere（1997）
リチャード・ネルソン『グッドナイト・チルドレン・エヴリウエア』
戦争と疎開によって分断された家族の苦悩と子どもたちの自立への歩み 髙杉 玲子　　


Joe Penhall Blue/Orange（2000）
ジョー・ペンホール『ブルー／オレンジ』
英国におけるメンタルヘルスと人種問題 松本 美千代　　

Nicholas Wright Vincent in Brixton（2002）
ニコラス・ライト『ブリクストンのヴィンセント』
天才画家の秘められた愛 小林 清衛　　

Martin McDonagh The Pillowman（2003）
マーティン・マクドナー『ピローマン』
残酷なストーリーと架空のリアリティー ドーシィ ジョン　　

Alan Bennett The History Boys（2004）
アラン・ベネット『ヒストリーボーイズ』
未来へと引き継ぐべきものを求めて 増田 珠子　　

Simon Stephens On the Shore of the Wide World（2005）
サイモン・スティーヴンス『広い世界のほとりに』
実験的作劇法とメロドラマ的家族劇の調和 伊藤 寧美　　

David Harrower Blackbird（2005）
デイヴィッド・ハロワー『ブラックバード』
過去の再構築と再生への葛藤―欲望と理性のはざまで 原田 規梭子　　

John Hodge Collaborators（2011）
ジョン・ホッジ『コラボレイターズ』
劇作家ブルガーコフの苦悩―モンスター、スターリンとの戦い 谷 佐保子　

Simon Stephens The Curious Incident of the Dog in the Night-Time（2012）
サイモン・スティーヴンス『夜中に犬に起こった奇妙な事件』
あるアスペルガー症候群の少年の冒険 小林 清衛　　

Lucy Kirkwood Chimerica（2013）
ルーシー・カークウッド『チャイメリカ』
キメラのような米中関係におけるジャーナリズムの倫理とは 伊藤 寧美　　

Mike Bartlett King Charles III（2014）
マイク・バートレット『国王チャールズ三世』
二一世紀のイギリスの国の形 髙杉 玲子　　

ローレンス・オリヴィエ賞 最優秀新作作品賞 受賞作品リスト（一九八八〜） 小池 久恵　　

編集後記 増田 珠子・小池 久恵