絵を見る技術

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    絵を見る技術
判型:四六判 / ページ数:288ページ / ISBN:9784255011110 / Cコード: / 発売日:2019/05/02

絵を見る技術

秋田麻早子 定価: 2,035円(本体1,850円+税)

在庫: 在庫あり

同じ絵を見ても、プロと素人では、見ているところが違っていた!?

・なぜ、この絵に惹きつけられるのだろう?
・この絵の主役はどこ?
・前情報なしに、どう見たらいいの?
・バランスや構図が良いとか悪いとか、みんな何を見て言っているの?

ちゃんと絵の中にヒントがあるんです。
センスがなくても、知識がなくても、目の前の絵画を「自分の目で見る」、
そして「良し悪しを判断する」ことは、できるんです。
謎を解くカギは、ぜんぶ絵の中にあります。

絵の研究は、「意味」と「形」の二本柱。
この本では、これまであまり触れられてこなかった、「造形」の面から歴史的名画を見ていきます。

描かれたモノを「見る」ためには、少し見方を訓練していないと気づかないものです。

ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ルーベンス、
ベラスケス、フェルメール、ゴッホ、セザンヌ――
超有名なあの名画、知られざるあの傑作、
どう見たらいいか迷う抽象絵画、20世紀を代表する写真まで――

どう見たらいいか、初めて分かるようになります。たくさんのカラー作品が練習問題。
はじめて見る絵でも、パズルを解くように絵を読み解いていく面白さ、
味わってみませんか?

「どういう絵に対しても使える本書で紹介した絵の見方は、
コンパスのような役割を果たしてくれるはず。
名画がどうして名画と呼ばれるのか。
今まで見ようとしなかった真実が、きっと見え始めるでしょう」――著者

書評




本書で最大の教えは、絵には必ずその絵を描いた作者がいて、その作者が画面を通じて見る者になにを届けようとしたのか、それをきちんと受け取ろう、著者の言葉を使えばしっかり「観察」しよう、ということだ。このメッセージは、むろん絵を睨(にら)んでも言葉では書かれていない。作者はまず、絵のどこに視線を向かわせたいのか。そのあとどこへ目を導こうとしているか。ほかにも明暗、配置、色使い、対比といった描き方で示されている。私たちに欠けていたのは、自由な感性でも該博な知識でもなく、絵をめぐるこうした文法の習得だった。

 興味深いのは、この描き方、伝え方が、古今を問わず「名画」と呼ばれるものに広く共通していることだ。だから、ひとたびこの文法を身につければ、いくらでも応用が利くようになる。どんどん当てはめてみたくなる。あなたは、ついに「絵を見る技術」を手に入れたのだ。




椹木野衣さん朝日新聞「売れてる本」書評より






読んだ後、絵を見ることが楽しくなる本!
理系の人や理屈で考えることが好きな人にもぴったり。




結城浩さん『数学ガール』著者






迷える子羊たちから熱い支持を受けている(…)
 一過性のブームでは終わらないベストセラー本のたたずまいを見せている




倉本さおりさん『週刊文春』9月19日号「ベストセラー街道をゆく!」






「目からウロコが落ちるとは、このようなことを言うのか。
 (…)読了後、美術館での鑑賞の仕方が変わると思う」




瀧井朝世さん『クロワッサン』9月25日号





絵の奥深さに気づかされる一冊




『芸術新潮』7月号「編集部のおすすめ!」欄

目次

■序 章 君は見ているけど、観察していないんだ、ワトソン君――ビジュアル・リテラシー
名画をちゃんと見られるようになりたい!
この本で見えるようになること

■第1章 この絵の主役はどこ?――フォーカルポイント
絵の主役、「フォーカルポイント」の探し方
集中と分散
新たな疑問――焦点が二つある絵?

■第2章 名画が人の目をとらえて放さないのはなぜか?──経路の探し方
名画は「角」を避けている――周回路
画面の両サイドにも危険が潜む――ジグザグ経路
大事なものから放たれる視線――放射型の経路
視線誘導の細かな工夫

■第3章「この絵はバランスがいい」ってどういうこと?――バランスの見方
線のバランス――リニア・スキームで見る
バランスは名画の絶対条件――左右対称の絵
ラファエロを乗り越えて――左右非対称の絵

■第4章 なぜ、その色なのか?──絵具と色の秘密
絵画は「物質」でできている
カラー・スキームを見よう!

■第5章 名画の裏に構造あり──構図と比例
右は左より格上?――位置が明かす力関係
名画に隠された十字線と対角線
注目すべきは1/2と1/3と1/4――等分割パターン
等分割以外のマスター・パターン――正方形・直交・黄金比
長方形の中の正方形――ラバットメント・パターン
ラファエロ『アテネの学堂』――四等分に隠された深い意味
*ルート矩形について

■第6章 だから、名画は名画なんです
絵の表面的な特徴が統一感を生む
『ウルビーノのヴィーナス』の秘密
総合的に分析してみよう――ルーベンス『キリスト降下』
自由な感想と客観的な分析

著者紹介

  • 秋田麻早子(あきた まさこ)
    美術史研究家。岡山県岡山市生まれ。2002年テキサス大学オースティン校美術史学科修士課程修了(MA)。専攻はメソポタミア美術で、トークン研究で知られるシュマント゠ベッセラに師事。2009年より「絵の見方は教えられるか?」というテーマに取り掛かり、2015年からビジネスパーソンの学習の場・麹町アカデミアで「絵を見る技術を学ぼう!」を不定期で開催。名画を自分の目で見る方法を広めることで、人々が自分の言葉で芸術や美について語れる世の中にするのが目標。

書籍内の図版一覧

本に収録できなかった図版一覧を公開します。(2020.3.4)
以下のリンクを御覧ください。

『絵を見る技術』図版一覧

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