自殺会議

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    自殺会議
判型:B6判 / ページ数:366ページ / ISBN:9784255010939 / Cコード:0095 / 発売日:2018/12/15

自殺会議

末井昭 定価: 1,848円(本体1,680円+税)

在庫: 在庫あり

生きてることに意味はないかもしれないけど、あなたが生きているだけで意味が生まれるのです。
ろくでもない世間に目を向けるより、この本に目を向けて、バカなことを言ってると笑ってください。


この本は十一章に分かれていて、それぞれ自殺に縁のある方々に話を聞いています。
自殺未遂した人、自殺しようとしている人を救っている人、自殺が少ない町を研究している人、親が自殺した人、子供が自殺した人、
死にたい人からの電話をすべて受けている人、自殺をテーマに絵を描いている人、などなど、みなさんツワモノばかりです。(まえがきより)

*

読みながら、本のテーマが「自殺」だということを忘れていた。それほどに楽しく、時に吹き出しながら、なぜか「死」より「生」について考えていた。〔…〕
登場人物がひたすらに濃い。〔…〕登場する全員が常軌を逸しているのだが、みんなあまりにもむき出しなのでいとおしくて仕方なくなってしまう。〔…〕
あまりにあけすけな語り口がひたすらに愉快だ。その感覚は全ページに共通していて、本の中で繰り広げられる「自殺会議」に完全に巻き込まれている。
一緒に考え、学び、一緒に悩む。一参加者になっているのだ。〔…〕
思い切り肩の力を抜いて、生きたり死んだりする大変さを笑い飛ばせる一冊だ。
――雨宮処凛さん(共同通信書評)


ある人は自殺を本人の選択の一つだと考え、ある人は人生をかけて見知らぬ人の自殺を食い止めようとする、またある人は家族が自殺した理由について悩みつづけている。
〔…〕末井の真骨頂は彼らの言葉に賛同するわけでも否定するわけでもなく、軽妙な語り口ですべてを受け入れていくことだろう。〔…〕
なぜ、末井の言葉はこんなにも温かいのだろうか。もしかしたら末井自身が自殺する人を好きになることで、母親の自殺を受け入れたからかもしれない。〔…〕だからこそ、自殺をする人を好きだと発言しながら、生きてほしいと言い切ることができるのだ。
「僕は自殺するくらい必死に生きている人が好きだ。だからこそ、君に生きていてほしい」
生きることに苦しさを抱えている人に、ぜひ読んでもらいたい一冊だ。
――石井光太さん(週刊読書人書評)

力が抜けたひょうひょうとした語り口にたちまち引き入れられてしまう。自殺を論じるというとどこか振りかぶって力が入ってしまう。この力の抜け方はただものではない。
〔…〕とんでもなく濃い人たちが次々と登場する。母親がダイナマイト自殺したという「自殺仲間」だからなのか、その応答はこんなことまで聞いていいのか、話していいのか
なんて線がほとんどない。〔…〕「自殺」を語りながら、語られる言葉の「生き方」がすごい。そして自殺を止めようとしている人たちはその方法は各人で違えど、その体当た
りの熱意とエネルギーがすごい。〔…〕
「たぶん自殺する人が好きだからだと思います」という一行の中に込められた優しさがこの本のカギなのだと思う。
読み進めながら、悲しいことば、過激なことば、大笑い、沁みることば、そして優しさに出合って、今年はいい一年になりそうだ。
――上田紀行さん(毎日新聞夕刊書評)

末井さんの考察は独特なところもあるが、読んでいると、至極まっとうだと思えてくる。そして不思議と楽しい。
「自殺」がテーマであるのに「楽しい」とは何事だ、不謹慎じゃないか、と思えるかもしれないけれど、生きていれば何かしらの喜びがあるということを教えてくれる本でもあ
る。
――戌井昭人さん(読売新聞書評)

通常はひっそりと隠されている「自殺」を、公然の場で「会議」しようとする末井さんは〔…〕自殺に縁のある人に話を聞き、その切実な状況まで一緒に降りていく。それは胆
力があってはじめて可能なしんどいことだし、<明るい>世間にしか目を向けない人にとって、この本で書かれた自殺を巡る状況は、無意識に目をそらしているものだろう。
〔…〕人間の負の部分に目を向けてこそ生まれる力があると、この本は静かに諭しているよう〔…〕
見栄やプライドではない、ホンモノの情と理で鈍くボディブローされる一冊だ。
――書店・Title店主 辻山良雄さん(ダヴィンチ書評)

目次

まえがき

目の不自由な妹の転落事故と、母親がダイナマイト心中するまでの八日間の謎 冨永昌敬さんとの話

統合失調症と自殺 松本ハウスとの話

生と死の境界で 岡映里さんとの話

繊細と乱暴――東尋坊の用心棒 茂幸雄さんとの話

自殺した息子に対して加害者であるという意識を持ち続ける映画監督 原一男さんとの話

死にたくなったらお電話を 坂口恭平さんとの話

"生き心地の良い町"を旅する 前篇 岡檀さんとA町の人々との話

"生き心地の良い町"を旅する 後篇 岡檀さんと海部町の人々との話

どんな状況であれ人生を楽しめていれば、病は治っている 岩崎航さんとの話

精神病患者のなかにある豊かな世界 向谷地生良さんとの話

母の自殺を自分のなかに取り込むため、三ヵ月間休まず絵を描き続けた画家 弓指寛治さんとの話

あとがき

自殺会議に参加くださったみなさんのプロフィール
参考文献・謝辞

著者紹介

  • 末井昭(すえい・あきら)
    一九四八年、岡山県生まれ。工員、キャバレーの看板描き、イラストレーターなどを経て、セルフ出版(現・白夜書房)の設立に参加。
    『ウィークエンドスーパー』、『写真時代』、『パチンコ必勝ガイド』などの雑誌を創刊。
    二〇一二年に白夜書房を退社、現在はフリーで編集、執筆活動を行う。
    『自殺』(小社刊)で第三〇回講談社エッセイ賞受賞。

    主な著書に『素敵なダイナマイトスキャンダル』(北栄社/角川文庫/ちくま文庫/復刊ドットコム)、
    『絶対毎日スエイ日記』(アートン)、『結婚』(平凡社)、
    『末井昭のダイナマイト人生相談』(亜紀書房)、『生きる』(太田出版)などがある。
    平成歌謡バンド・ペーソスのテナー・サックスを担当。
    Twitter @sueiakira

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