火蛾の詩学 ゲーテとイスラーム神秘主義
火蛾の詩学 ゲーテとイスラーム神秘主義
髙橋明彦 著
定価: 1,980円(本体1,800円+税)
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ゲーテ『西東詩集』中の詩「至福の憧れ」の一節をもとに、その詩的淵源をイスラーム神秘主義のうちにさぐる試み。
井筒俊彦らに導かれつつ、九世紀スーフィズムの偉大な指導者にして殉教者であるハッラージュのあるテクストにまで遡り、
そこで「火蛾」の形象に出会う。さらにはベンヤミンによって提起されたゲーテとボードレールにおける〈詩とアウラ〉の問題、
あるいはゲーテとイスラームにおける〈色彩神学〉の可能性についての考察が加えられる。
目次
まえがき
Ⅰ
1 ハンマー訳ハーフィズ詩集
2 双子の兄ハーフィズ
3 ゲーテのプレテクスト
4 火蛾への変容Ⅰ ハーフィズ
5 火蛾への変容Ⅱ ハッラージュ
6 <寓話>のその後
Ⅱ
テクスト
この詩の韻律構成の基本的な枠組みについて一言。
0 表題 至福の憧れ
1 第一詩節 循環する焔
2 第二詩節 肉の悲しみ
3 第三詩節 まぐわいと目合
4 第四詩節 火蛾とメタモルフォーゼ
補説1 詩とアウラ ゲーテ─ボードレール─ベンヤミン
5-1 第五詩節 「死して成れ!」
5-2 第五詩節 光─曇り─闇
補説2 ゲーテの色彩神学
結びにかえて─ふたたび「死して成れ!」について─
1 レーヴィットとテレンバッハ
2 ジャラール・ッ・ディーン・ムハンマド・ルーミー
3 『ルーミー語録』と井筒俊彦