外国語教育V
外国語教育V
一般教育における外国語教育の役割と課題
吉島 茂 著 / Ryan・S. 著
定価: 3,080円(本体2,800円+税)
在庫: 在庫あり
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日本における「外国語学習」は特殊な位置を与えられ、一部のエリート層にのみ求められるものだった。近年のグローバル化した世界で、その能力が全市民に求められ、一般教育、義務教育の重要な柱と見なされる時代では、その旧来の位置づけを見直し、新たな理念のもとに教育も実践されねばならない。
2002年、日本でもアジアの近隣諸国に大きく遅れ、また現実の実践状況からも大きく遅れながら中学校で英語(外国語)学習が必修化され、2012年には小学校で外国語活動の名のもとに英語を軸とした
外国語と異文化との接触が教科として制度化された。しかしその理念的根拠の裏付けが十分とは言い難い。
本書は、こうした動きを背景に、外国語教育がアジアの近隣諸国、ヨーロッパの国々でいかなる位置づけを一般教育の中で与えられているかを見、日本における外国語教育の理念的省察の便に供しようと編集した。
巻末には欧文論考のオリジナル・テクスト、和文論考の英語版を収録したCD-ROMを添付。
目次
第1部 基本問題(一般教育の中での外国語教育の役割;現在の一般教育で外国語教育が果たす機能 ほか)
第2部 現状と政策(初等教育段階から中等教育段階へ:予備知識の活性化による学習意識の発達(異言語間相互理解)
「フランスという生徒」は自分の進歩を確認できなければならない―小学校における外国語教育の発展 ほか)
第3部 現場からの報告(州立ベルリン・ヨーロッパ学校(SESB)
日本での´EOLEの試み―教員養成コースでの実践の試みと´EOLEを日本に取り入れる場合の考察と提案 ほか)
第4部 現状の統計的分析 Part 4:Statistical Research into Practice(小学校英語教育に対する教員の意識;日本社会における英語使用の必要性:社会統計に基づく英語教育政策/目的論の検討)