幻滅と別れ話だけで終わらない ライフストーリーの紡ぎ方
幻滅と別れ話だけで終わらない ライフストーリーの紡ぎ方
きたやまおさむ 著 / よしもとばなな 著
定価: 1,650円(本体1,500円+税)
在庫: 在庫あり
電子版を購入する
オンライン書店で購入する
小説家・よしもとばななと精神分析医・きたやまおさむが、『古事記』、浮世絵、西洋絵画、映画、マンガにいたるまでの文化の深層を語り合い、日本人のこれからのあり方を「並んで海を眺める心で」いっしょに考える、新しいスタイルの講義・対談。
目次
Ⅰ 母と子の二重性を読む
自分のこころはモニタリングできない
精神分析とは「こころの台本」を読むこと
浮世絵の母子像から、こころを読み解く
母と子がともに見ること、思うこと
こころはまさに「裏」のこと
世界は二重にできている
目を合わせない聖母子のこころ
「愛することは、いっしょに同じ方向を見ること」
お母さんは「はかない」もの
花火が照らすこころの絆
こころの背後を考える
失われたこころのつながり
日本人特有の「表と裏」
「こころの台本」を読むのは時間がかかる
精神科医もたまってたいへん
落差を楽しみ、多面性を保つための楽屋
添い寝という文化
人類の病いの原因は親にある?
自己は「分割」されるもの
よい聴き手の条件
喪失は美しい?
同じ方向を見ずに会話すること
Ⅱ ストーリーの表と裏を織り込んで
こころの物語を分析する
罪悪感はどうして生まれるのか
『古事記』の中の「見るなの禁止」
きれいはみにくい、みにくいはきれい
みにくいものが動物になる
罪悪感は「すまない」物語である
「はかなさ」と「すまなさ」の間を生きること
雑草のように生きることが難しい
文化と幻想のはざまを生きる
「表と裏」で二面性を解消する
日本人は文化にリスクを負わない
生き延びるための「精神分割」
「私」と自我
「私」の空間領域
恩は倍にして返さなくてはいけないもの?
甘える覚悟
上流は生きづらい
普通は奥深い
自分の人生という物語
音楽の世界は「裏」が元気だ
現代社会の二面性
人生はふたつの顔をもっている
鵺のように生きる
何かに出会えば、何かを捨てている
はかないものの美しさ
Ⅲ 人生はいっさいが多面的
3・11が変えたもの
あれこれ信じて、どれも信じない
「裏切る」こころは、生き延びる力
「ぼちぼち」がんばること
こころの震災は、何度も繰り返される
聴き手にも聴き手が必要
こころの消化と排出をよくするために
団塊世代が覚悟しなくてはならないこと
きれいでみにくいこの国の未来
両眼視と二重視の世界
ポップとアートの違い
フリーダ・カーロはマグダラのマリア
後ろを振り返れないとつらい
人生の表舞台と楽屋裏の間がやっぱり面白い
「きたやまおさむ」と「よしもとばなな」の由来
「私」がこころを橋渡しする
よしもとばななの創造性のひみつ
片目が追いつかない
目をつむって、言葉を紡ぎだすこと
マスメディアは降りるのがたいへんな階段
文化と精神病理のつながり
地獄だったひととき
最後は自分で決めるしかない
注意信号でストーリーが変わる
こころの中に襲ってくる大津波