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暇と退屈の倫理学
暇と退屈の倫理学
何をしてもいいのに、何もすることがない。
だから、没頭したい、打ち込みたい……。
でも、ほんとうに大切なのは、自分らしく、
自分だけの生き方のルールを見つけること。

400頁を越す本書をつらぬく著者の関心は、「人間らしい生活とは何か?」です。
パスカルの有名な断章「部屋にじっとしていられないから、人間は不幸を招く」を皮切りに、文化人類学、考古学、経済学、消費社会論、動物行動学、そして「退屈論の最高峰」と著者が考えるハイデッガーの「形而上学の根本諸概念」を渉猟し、答えに接近します。
平易な文体、熱く勢いある思考が、ポジティブで自由な可能性を拓きます。
「わたしたちはパンだけでなく、バラも求めよう。
生きることはバラで飾られねばならない」

──このウィリアム・モリスの宣言を正面から受けとめ、現在と未来に生かそうというのです。
潑剌と、明るく、しかも、哲学的な根拠をもって、「私はこう考えた。みなさんはどう思いますか?」と問いかけます。


■特設サイトコンテンツ

a. 『暇と退屈の倫理学』が入試に使用されました!
b. 紀伊國屋じんぶん大賞2011大賞受賞記念 公開授業「欲望と快楽の倫理学 序章」
c. 刊行記念イベント
   3. 特別ゼミナール「いかにして自らに快楽を与えるか?」
   2. 國分功一郎+白井聡「贅沢、浪費、マルクス!――新しい「自由の王国」に向かって――」
   1. 國分功一郎+千葉雅也「〈人間であること〉の再設定――世界、環世界、社会」
d. フェアのご案内(終了) 〈『暇と退屈の倫理学』から歩き出す〉
e. 書評
   2. 大橋完太郎さん(「週刊読書人」)
   1. 鈴木成一さん(マトグロッソ「鈴木成一 装丁を語る。」)
f. 正誤表

入試問題に使用されました | この夏、受験生にもおすすめです!

2013年度大学入試
関西大学(法・商・政策創造・人間健康・総合情報学部) |  同志社大学(全学部日程)| 龍谷大学・短期大学部(一般入試)| 亜細亜大学 |  東北工業大学 | 神田外語大学 | 神戸山手大学・短期大学 | 神愛知大学 |  フェリス女学院大学 | 慶應義塾大学(商学部)| 松山大学

2014年度大学入試
相模女子大学(一般入試D日程)| 佛教大学 | 東京造形大学(科目:公民)| 獨協大学 | 東京海洋大学入試(小論文)| 日本体育大学(一般入試前期、国語)

高校入試
2012年 久留米大附設高等学校入試
2013年 富士見丘高等学校入試
2014年 順天高等学校入試



紀伊國屋じんぶん大賞2011大賞受賞記念|
公開授業「欲望と快楽の倫理学 序章」(2012年3月9日 紀伊國屋サザンシアター)

当日配布された國分功一郎さん作成のレジュメは、次のリンクからダウンロードしてください(右クリックで保存)。
★PDF(706KB)



『暇と退屈の倫理学』刊行記念イベント|第三弾

國分功一郎
特別ゼミナール「いかにして自らに快楽を与えるか?」

2011年11月25日(金) Bibliothèque(第21回ビブリオテック文明講座)
國分様、ビブリオテック様の御好意により、録画を公開いたします。

当日配布された國分功一郎さん作成のレジュメは、次のリンクからダウンロードしてください(右クリックで保存)。
★PDF(495KB)

その1


その2


その3



『暇と退屈の倫理学』刊行記念トークイベント|第二弾

國分功一郎+白井聡
「贅沢、浪費、マルクス!――新しい「自由の王国」に向かって――」

2011年11月19日(土) ジュンク堂新宿店
國分様、白井様、ジュンク堂新宿店様の御好意により、録画を公開いたします。

★動画をみる(←こちらをクリック)

國分さん+白井さん写真

白井さん 「資本主義を乗り越えていく倫理学ですから
  ――端的にはコミュニズムの倫理学といっていいと思うんですね」


國分さん 「「進んで奴隷になる」みたいな姿を見せているあのコーラスが
  […]涙が出た。悲しかったんですね」
(その1より)

國分さん+白井さん写真


國分さん
「「日曜日は休んで
楽しめばいいじゃん」
ってなっていけば
いいと思いますよ」

(その2より)
 
國分さん+白井さん写真 國分さん+白井さん写真
國分さん+白井さん写真

白井さん
「自動車がなくなる日が
来るかもしれない、
でも最後に残るのはスポーツカーだ、
というのが
ポルシェの思想なんですね」

(その3より)

photo © 岩澤蘭



『暇と退屈の倫理学』刊行記念トークイベント|第一弾

國分功一郎+千葉雅也
「〈人間であること〉の再設定――世界、環世界、社会」
2011年11月5日(土)リブロ池袋本店
國分様、千葉様、リブロ池袋本店様の御好意により、録画を公開いたします。

★動画をみる(←こちらをクリック)

國分さん+千葉さん写真



國分功一郎さん
「だからこの本は
朝を集めた本なんです。」

(その2 冒頭)
 
國分さん+千葉さん写真




千葉雅也さん
「國分さんの場合、
環世界から容易に出られることが
前提になっていますよね。
そこが僕と違うところなんです」

(その3 半ば)
 
國分さん+千葉さん写真 國分さん+千葉さん写真
國分さん+千葉さん写真

千葉雅也さん
「この本読んで
すごい揺さぶられて…。
三日ぐらい、
人生考え直さなきゃあかんかな、
と思ったんですよ」

(その3 後半)

photo © 岩澤蘭



フェア写真 フェアのご案内

〈『暇と退屈の倫理学』から歩き出す〉
2011年12月10日(土)~2012年1月20日(金)| 紀伊国屋書店新宿本店

國分さんに、『暇と退屈の倫理学』からさらにその先へと向かうための本をお選びいただきました。詳細なコメントつきですので、ぜひご覧ください。ブックリストは紀伊国屋書店様のホームページでもお読みいただくことができます。



紹介されました!

書評|大橋完太郎さん(「週刊読書人」)
「わたしたちの生活は以前より快適になっただろうか? 物質的には豊かになった暮らしのなかで、わたしたちは日々の営みに疲れ果て、倦怠に満ちた人生を過ごしているのではないか? 國分功一郎氏による『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社)は、現代社会の人間が抱えるジレンマに正面から取り組み、その問題点と突破口とを明晰な論理と痛快な語り口で指し示した力作だ。すでにたくさんの賞賛が寄せられている本書だが、「本来性なき疎外」や「環世界間移動能力」などの魅力的な概念を次々と繰り出しつつ哲学や人類学、経済学を横断して新しい人間の価値を提唱する作者の力量と独創性を見れば、その評価もすべて納得に値する。この書物は生きることの意味を問うすべての人に読んで欲しい書物である。

 本書で提示される倫理は、端的に言えば世界の多様性を貪ることの内にある。生活の定住化に伴って生じた退屈のなかで、人間らしさとは疎外されてきた本来的なものを見いだし、その回復を決断することにあると考えられてきた。だが國分氏はこうしたハイデガー的な決断主義に潜む人間の傲慢さを批判する。決断とは自由を限定することであり、現実の多様性を否定することだからだ。かくも退屈な「歴史の終わり」、すなわちコジェーヴの言う動物的スノビズムが蔓延する世界は、決断に基づいて達成される定向的な進歩が停滞した末に世界が陥る必然的な帰結であるかのように見える。だがこの倦怠こそが人間の可能性を縮減する決断主義の罠ではなかったか。それは終末論と決断主義との共犯関係の所産ではないのか。だからまず動物になろうと作者は言う。既定の環境を離脱することで自らを突き崩すショックを自らに与えるという、能動的でもありかつ受動的でもある能力によって、人間は自らを取り巻く退屈から離れて新しい環境を享受し、考えるきっかけを得ることができる。世界とは別の仕方で何度でも理解されるものなのだ。そのとき存在は「自由/決断」の構造から解放され、あらゆる生態環境を蕩尽するための道筋が開かれる。明快な議論のなかで、ドゥルーズ的な生の哲学が、フーコーの残した主体化批判の軌跡と鮮やかに接続されているのが、本書のもっとも優れた点のひとつだ。

 本書のもうひとつの優れた点は、読み手に生産的な反応を抱かせる点にもある。アイデアと実例に溢れた本書の思考から出発して具体的な仕組みを考えることが実に面白い。たとえば、浪費することでさえ消費の一形態としてしか与えられていないように思える今日の状況のなかで、いかに浪費することができるか? この点を考えるならば、次に生産と流通の問題を考えざるを得ないような気もする。生を飾るためのバラをどこで手に入れよう。どこかで買い求めるべきだろうか。自らが、あるいはほかの誰かがそれを育て贈与すべきなのだろうか。人間であることから離れるとして、どのような動物になれるだろうか? ダニになろうか、あの毒虫になろうか、それとも猿に? いや、ひょっとして、まったく別の動物になることができるかもしれない。考えるべきことなすべきことはどうやら無数にありそうだ。幸いなことにわたしたちは『暇と退屈の倫理学』という最良の地図を手に入れることができた。たぐいまれな地図製作者である國分功一郎氏との対話を楽しみながら、自らの人生の行程を一歩一歩確かめつつ進むことが、本書を「享受する」最良のやり方ではないだろうか。」

「週刊読書人」2011年12月9日(金曜日)


書評|鈴木成一さんマトグロッソ「鈴木成一 装丁を語る。」)

装丁を手がけていただいた鈴木成一さんが本書をご紹介くださいました。

「そして新刊の『暇と退屈の倫理学』です。この本はスゴイです。この仕事を手掛けるまで、恥ずかしながら著者を存じ上げなかったのですが、高崎経済大で哲学の教鞭を執る若手の論客です。過去の思想、哲学を引きながら、網羅的に「暇と退屈」について語る内容ですが、誰にでもわかる平易な言葉で、しかも大変情熱的です。読み進めるうちに、あぁ、こんなところに生きる意味があったのかと、一度人生をリセットしたような、そういう気分にさせてくれる本です。震災以降の現在ならなおさらです。

下の方に東京のビル群が連なるカバーの写真は、両袖にわたる長大なもので、数年前から各所アートフェアで気になっていた写真家の作品です(後でわかったのですが、彼は、この連載でも取り上げた『芸術闘争論』の装画、村上氏の作品の撮影者でした)。

本書は、ありとあらゆる意味や関係にこんがらがってるであろう現実を一旦均してしまうような、まさにリセットするような、実に晴々として爽快な内容なので、その潔さゆえ、帯は取っ払ってしまった、外側のカバーに入れるべき文言は、書籍コードと定価部分を除いて、表1から表4のすべてを赤のツヤツヤの箔押しにしました。」

鈴木成一氏、マトグロッソ「鈴木成一 装丁を語る。」
#36 現実をクリアに見渡す「思想」の風景 より


正誤表  ←こちらをクリック


[目次]
まえがき
序章 「好きなこと」とは何か?
第一章 暇と退屈の原理論──ウサギ狩りに行く人は本当は何が欲しいのか?
第二章 暇と退屈の系譜学──人間はいつから退屈しているのか?
第三章 暇と退屈の経済史──なぜ“ひまじん”が尊敬されてきたのか?
第四章 暇と退屈の疎外論──贅沢とは何か?
第五章 暇と退屈の哲学──そもそも退屈とは何か?
第六章 暇と退屈の人間学──トカゲの世界をのぞくことは可能か?
第七章 暇と退屈の倫理学──決断することは人間の証しか?
結論
あとがき




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