「E-DIC第2版」パンフレット・「CNN EE」見本誌請求はこちら
会員ログイン 新規登録


志茂田景樹×紫原明子の人生相談!~場外編~

『家族無計画』の出版を記念し、青山ブックセンターで行われた、志茂田景樹さん×紫原明子さんのトークイベント「規格外だけど、愉しい家族」。
会場内から悩みを募集した「人生相談コーナー」で、当日は時間が足りず回答しきれなかった相談へ、お二人からコメントをもらいました。




■現在婚活中さん(女性/会社員)

「結婚」、「家族を持つ」というメリット、デメリットを教えてください。
また婚活へのアドバイスをください。



志茂田景樹さんより

メリット:自分の人生の厚みと幅を豊かにする。
    子どもを持つことで嬉しい責任と義務が生じ、確かな生き甲斐を意識できる。
デメリット:離婚、家族離散などの可能性が生まれ、シングルでいれば味わうことのなかった苦しみ悲しみに襲われるかもしれない。



紫原明子さんより

自分のことばかり考えていると段々飽きてくるので、パートナーや子供など、家族を持つと人のドラマに当事者として付き合えるという面白さがあります。一方、ときにそれがめんどくさくなるデメリットもありますよね。

それから、結婚という伝統あるシステムに乗っかることで、赤の他人と助け合うことを暗黙の了解化しやすくなるというのもメリットだろうと思います。しかしこれは、頑丈な檻に守られるようなもので、すごく安心感があるんだけど、だからこそ窮屈になったり、窮屈さを感じたとしても自分が我慢すればいいんだと外に出ようとする意欲を失ってしまったりもする諸刃の剣です。
個人的には、リスクを負うだけのリターンはあったなと感じています。



■やいやいさん(女性/会社員)

結婚して5年、現在1歳11か月の娘が一人おります。もともと大企業に勤めていた主人が結婚して8か月でリストラにあい、うつ病となり、転職しても仕事が続かない状態です。
私は出産後7か月で職場復帰しました。最近は主人の母に「あなたのせいで病気になった」と言われたりして、ストレス過多な生活を送っています。
時々離婚も頭をよぎりますが、なんとか私の年収をアップして、家族3人でがんばっていこうと思っています。決意表明でした。
(何か一言お願いします!)



志茂田さんより

勇気ある選択です。貴方が元気いっぱいに生きて、幼いお嬢がすくすく育つのを見ればご主人の病気も快方に向かいます。
初めは大変でしょうが、乗り越える喜びを味わってください。



紫原さんより

仕事って、やればやるだけ達成感と収入で見返りがあるので最高ですよね。ただでさえストレスの多い毎日を過ごされていらっしゃるということなので、せめて仕事は息抜きをかねるように、新たなストレスの源とならないように、続けられるといいですね。頑張ってください!
ただ、やはり無理の限界値はあるので、ご自身の気持ちと体の調子は過信されないようにしてください。全部を抱えきれないときに、何かを手放すという選択肢があるということも、お守りとして、心の片隅に置いておかれると良いのではないかなと思います。



■まりこさん(女性/パート・アルバイト、自営業)

20歳をすぎてから恋愛に興味が無くなり、自分の好きな仕事や勉強に取り組んでいます。恋愛や結婚に心が向かない自分が不安です。アドバイスをください。



志茂田さんより

あまり気にしないで大丈夫ですよ。
恋愛よりも自分の好きな仕事や、勉強のほうが楽しい、というより、自分の将来を考えて有意義だという判断からきているのです。
恋愛はいい出会いという縁があれば自然に燃え盛ります。



紫原さんより

恋愛とか結婚って、実際のところご縁がないと始まらないですよね。興味がないことに興味を持つのって無理だし、不安にならなくていいんじゃないでしょうか。この問題に関しては私もたまに、いつが現役だったかもわからぬまま、このまま現役を退いていくんだろうか……とか不安になることがありますが、そんなとき私が意識的にイメージするのは分子の結合です。他の分子とつなぐ手がなければ結合できないので、宙ぶらりんにあいた手が自分についているイメージを失わないようにしたいなと。一人でも十分楽しいけど、一方で、満たされない部分や、寂しさ、完成されない部分がある状態を、無理に無いものにしないこと。自分の“余白”の部分を維持していると、自然としかるべきご縁があるのではないかと感じています。



■宇宙人さん(女性/会社員)

30代です。結婚や恋愛したいと思うパートナーに出会えません。運命ってあると思いますか?



志茂田さんより

そのとき、電流に撃たれたように出会えて一生を共にする人だと感じたら運命の人なのです。



紫原さんより

『家族無計画』でも書きましたが、偶然の出会いを意識的に作る努力をしてみるのはどうでしょうか。例えば電話番号とツイッターアカウントを書いた手紙を風船につけて100個くらい飛ばすとか、ボトルに入れて海に流すとか。もし内陸部にお住まいで海が遠ければ、図書館で自分の好きな本にそっと手紙を挟んで返す、というのも良いかも。出会いがない問題も婚活が難しい問題も、本当に厄介ですが、新しい出会いの糸口を探る上で想像力を働かせると、結果が出ても出なくても、まずは実行している自分が楽しいのでオススメです。
また、男女ともに空から素敵な異性が降ってくる的な物語を、受動的に求めているので、あえて自分が物語を提供する側に回ると、その時点で一気に需要が高まりそうな気もします。

さて運命についてですが、運命とハサミは使いよう、と私は思っています。「なんだかんだいっても、最後にはうまくいく運命だなあ」と運命をエビデンスに自分を過信したり、どうしてもうまくいかなかったときには「こうなる運命だったんだなあ」と失敗から得た何らかのメリットに帰結させる後押しをさせたりと、都合よく運命を使っていきましょう。



■もしもしかめ子さん(女性/地方議員)

電話をかけるのも受けるのも怖くてたまらないんです。携帯電話に電話がかかってくる時はたいてい移動中や誰かと話している時、眠い時などでいつも都合が悪く出たくありません。一方、かける時も相手は忙しいのではないかと思い、タイミングがわかりません。どうしたらよいでしょうか?



志茂田さんより

メールや、ショートメールをうまく活用してください。
それとなく、仕事柄、公務中は電話には出難いことを伝えておくとよいでしょう。そのかわり、気がつき次第、短くていいですから返信してください。



紫原さんより

私も同じです! 電話が苦手、という人の話は本当にたくさん聞くし、もはや無理に苦手意識を克服する必要は無いのではないでしょうか。私は、子供の通う学校や営業電話をかけてくる洋服屋さんなど、一度着信があったら全て電話帳に登録して、不要不急な電話には極力、居留守を使います。それでも割と何とかなっています。どんなに仲が良くても、友達からの電話も苦手なので、着信を一旦スルーして夜遅い時間に「着信、今気づいた! 遅くなっちゃったからLINEで返すね。どうかした〜?」などとメッセージを送ります。そういうことを数回続けていると、だんだん電話がかかってこなくなりますよ!



■頑張りたいさん(女性/自由業)

いままでキャリアを積み上げてきた場所を離れ、新たな世界に飛び込みました。すべてが新鮮でエネルギーに満ちあふれている半面、30代に突入したこともあり、恋愛・結婚・今後の仕事すべてに影響を受けることに対して不安が募ります。不安を抱きつつも自信をつけていくことって可能なのでしょうか?



志茂田さんより

フリーな立場になって不安は尽きないでしょうが、期待の裏返しと思いましょう。期待して課題を1つひとつ乗り越えていけば、自信はほっといてもついていきます。恋愛、結婚、仕事に対する観方が変わるので、それを仕事に生かしていくことです。



紫原さんより

不安が大きいときや、顔から火が出るような恥ずかしい失敗が続くときって、慣れないことをやっているわけだから、自分がまさに脱皮しているときですよね。不安を伴う場面を乗り越えたときにこそ自信を持てるようになるのだと思います。すごくいい環境にいらっしゃるんですね。ぜひがんばってください!



■こじらせ女子さん(女性/自営業)

今、付き合っている人と結婚したいと思っているのですが、相手はとてもおとなしい人で、自分からプロポーズできないタイプです。私から結婚を切り出せば、多分結婚してくれると思うんですが、もしも断られたら……と思うと言い出せません。ここは見切りをつけるべきでしょうか?



志茂田さんより

簡単なことです。貴方からプロポーズしてください。
とてもおとなしいということは、相手も、断られたらどうしよう、と思っているのかもしれません。貴方からプロポーズすれば感激して尽くすでしょう。
仮に断られたら向こうに見る目がなかったのです。
もっといい人からプロポーズされるチャンスが生まれます。



紫原さんより

どうせ見切りをつけるなら、まずは先に結婚を切り出してみてはどうでしょうか! 彼と結婚したいということですし、自分から言い出せないことくらいで諦めるのはちょっともったいない気がします。彼のおとなしい部分を補ってあげればあとはうまくいくというのであれば、癖はあるけど乗り慣れた車って感じで、乗りこなせるのはあなただけ、という、良いパートナーシップを築ける可能性もありますね。



■まおさん(女性/会社員)

社会人になってから、なかなか新しい友達ができません。どうしたら明子さんのようにママ友とうまく付き合えますか? 気持ちの持ちようやコツなどを教えてください。



紫原さんより

子供を介して、何となく挨拶したり、顔見知りになったママ友で、この人とは特に仲良くなりたいな、という人がいたら、まずはそのママの下の名前を聞いてみるといいと思います。「◯◯ちゃんママ」でなくて「◯◯さん」と下の名前で呼び合う。その上で、相手の人生に興味と尊敬を持ちつつ、必要なときには自己開示を惜しまない。相手の無自覚な失言をあまり敏感にすくわない。これで結構、うまいこと信頼関係を築いていくことができますよ!



■ゆきさん(女性/会社員)

新卒で入社した会社で12年間事務をしています。安定した日々ですが、これでいいのかな、私の履歴書は薄いなあ、と思うときもあります。
紫原さんは私と同い年ですが、仕事を始めたのは私よりも遅いにもかかわらず、濃密な時間を過ごして大きな活躍をしているように思います。そのパワーはどうしたら得られるのでしょうか?



紫原さんより

私はどうも欲深いんですよね……。ブラッド・ピット主演の「セブン」を見たときは私も殺されるなと思ったし、「千と千尋の神隠し」を見たときは豚になった両親に自己投影せずにはいられませんでした。欲深さに自分自身が翻弄されるときもあるので必ずしもこれが良いとも言えません。
ましてや12年間一つの会社で働き続けるというのは本当にご立派なことだと思いますよ。世の中にはたくさんの価値基準があるので、他人と比べて自分の生き方を変える必要は全然ないと思います。



■マリさん(女性/パート)

今月末に離婚します。円満離婚ですが、あのときこうしていたらうまくいっていたのかな……と思ったり、今まで穏やかに流れていた自分の人生にまさか離婚という出来事が起こると思っていなかったので、お互いのために納得しているとはいえ、戸惑いも消えません。これからの人生に向けて、どうしたら私は強くなれますか?



紫原さんより

離婚されるとのこと、これまでお疲れ様でした。
家族だからこそどこまでも依存や憎しみが終わらないし、円満に離婚して他人になると、それ以上相手を憎まなくて良くなりますよ。どうしようもない中で、何とかそんな状態を抜け出そうと、マリさんと旦那さんが前向きに進めた勇気ある一歩だと思いますので、どうか自信を持ってください。
ありきたりではありますが、体験を文章化するというのは一つの手です。そのときは匿名でもいいので、極力人に読まれるものとして書くことをおすすめします。
これから離婚をするかもしれない誰かに、経験者として言えること、マリさんの貴重な経験を提供してあげてください。そういうつもりで書くと、不思議と自分の離婚という体験をうまく消化できたりしますよ。




閉じる